刑事確定記録のコピー謄写を可能にしたのは当NPOギヴアンドギヴです。
札幌地方検察庁 平成18年6月12日 決定
勘違いが多いのですが、刑事確定記録をコピー謄写できるのは刑事確定訴訟記録法ではありません。記録事務規程(第17条)です。(法務省刑事局確認済)
記録事務規程 (リンク)
これまでの経過
地検事件記録*札幌、旭川もコピー可能に
刑事事件の被害者や遺族が、民事訴訟などに備えて検察庁にある事件記録を入手する際、多くの地検で記録のコピーができず不満の声が上がっていた問題で、札幌地検と旭川地検は十六日までに、庁舎内にある地元弁護士会のコピー機を使ってのコピーを可能にした。
全国の検察庁では、地検の機械を使ったコピーはできないが、函館など一部の地検では、庁舎内にある民間業者や地元弁護士会のコピー機を使うことを認めていた。札幌では犯罪被害者団体から地検や弁護士会に、改善要望が出されていたことから、両者がコピー機の利用方法について検討していた。
コピーは有料で、札幌は一枚三十円、旭川は同二十円。いずれも地検がコピーを認めた場合、弁護士会が対応する。また、釧路地検も現在、弁護士会のコピー機利用を検討している。
2006/06/17 北海道新聞引用
注)犯罪被害者団体 はNPOギヴアンドギヴのこと。
事件記録 地検でコピー*できる 道内函館のみ/できない 苦心し筆写、撮影*格差、被害者置き去り
刑事事件の被害者や遺族が、民事訴訟などに備え検察庁の事件記録を入手しようとする際、記録のコピーをめぐり全国の地検ごとに対応に差があることが分かった。道内4地検のうち函館を除く3地検ではコピーすることができず、筆写やカメラ撮影を余儀なくされているのが実情だ。国の被害者救済意識の薄さをうかがわせるとして、関係者は是正を求めている。
裁判確定後の刑事事件の記録は、容疑者を起訴した地検で保管される。被害者が損害賠償請求など民事訴訟を起こす場合や、現実の被害状況と食い違いがあるとして裁判のやり直しを求める場合などに、各地検に開示を求めることが多い。
*入手規定なし
ところが刑事訴訟法などに記録閲覧の規定はあるものの、入手に関しての規定はない。法務省刑事局は「検察庁がコピー業務を行うことは、機器設置などに費用がかかり難しい。コピーは検察庁が行うものでなく、こちらが運用や料金を指導する立場にない」という。このため地検ごとに運用にばらつきが出ている。
北海道新聞が、高等検察庁がある道外七カ所の地検と、札幌を含む道内四地検に照会したところ、東京、大阪、名古屋は、庁舎内に民間業者が入居し、コピー機の利用が可能。函館、仙台、広島は庁舎内に弁護士会が設置したコピー機を使える。料金は、函館の白黒一枚二十円(税込み)から、名古屋の同六十三円(同)まで最大三倍の格差があった。
一方、札幌、釧路、旭川、高松、福岡は、いずれも庁舎内に弁護士会のコピー機があるが、弁護士がついていない被害者や遺族は利用できず、記録をノートに書き写すか、カメラで接写するしか方法がない。
札幌市西区の男性(51)は二○○一年、自分が被害者となった交通事故に関して、札幌地検で刑事記録を閲覧した。実況見分調書のコピーを求めたところ「コピー機は使えません」。パソコンとスキャナーを持参すると言っても「電源は貸せません」。いすの上に立ち、後遺症で痛む体をかがめながら、調書など数十枚を一枚ずつデジタルカメラで撮影した。
根室管内中標津町の木村富士子さん(49)は、息子の悟さん=当時(16)=が一九九九年、バイクの転倒事故で死亡したとの捜査結果に疑問を抱いていた。○二年末、釧路地検で刑事記録のコピーを断られ、やむなく四万円のデジタルカメラを購入した。調書は上下に分けて撮影しないと収まらず、写真を組み合わせる作業は難航した。
*「国が整備を」
こうした問題に詳しいジャーナリストの柳原三佳さん(千葉県在住)は「刑事記録をじっくり検討してから、弁護士を依頼する人も多い。判断材料となる記録を被害者らがコピーするのは当然の権利で、国が整備すべき問題だ」と主張する。
コピーの要望は札幌地検や札幌弁護士会にも寄せられている。同弁護士会の池田茂徳副会長は「近く被害者個人も有料で利用できるようにしたい」と話している。
*刑事記録の個人の入手方法比較(北海道新聞調べ)
地検 個人の入手方法 料金(白黒1枚) 備考
札幌 写真撮影か筆写 - 弁護士会設置のコピー機利用を検討中
旭川 写真撮影か筆写 -
釧路 写真撮影か筆写 -
函館 コピーが可能 20円 弁護士会設置のコピー機を利用
仙台 コピーが可能 30円 弁護士会設置のコピー機を利用
東京 コピーが可能 35円 民間業者のコピー機を利用
名古屋 コピーが可能 63円 民間業者のコピー機を利用
大阪 コピーが可能 40円 民間業者のコピー機を利用
高松 写真撮影か筆写 -
広島 コピーが可能 50円 弁護士会設置のコピー機を利用
福岡 写真撮影か筆写
【写真説明】札幌市西区の男性がデジタルカメラで写した刑事記録 -
2006/05/03 北海道新聞
注)札幌市西区 は札幌市東区の間違い。
注)男性 は村上博行のこと。